国立小・私立小・公立小

みなさんご存知のように、小学校には国立、私立、公立の3種類の学校があります。

東京都内にある国立大学付属小学校は

お茶の水女子大学附属小学校
筑波大学付附属小学校
東京学芸大学附属大泉小学校
東京学芸大附属竹早小学校
東京学芸大学附属世田谷小学校
東京学芸大学附属小金井小学校

の6校です。入学するには試験(ペーパーや行動観察など)だけではなく抽選があるのが大きな特徴で、運も味方につけないと入学できません。

全国の国立小学校

学校基本調査の平成30年度データをみると、国立小は全国47都道府県に合計70校ありました。

北海道:4校

東北6県:青森県に1校、岩手1校、宮城1校、秋田1校、山形1校、福島1校で合計6校

中部9県:富山県、石川県、山梨県、岐阜県にそれぞれ1校、新潟県3校、長野県2校、静岡県2校、愛知県2校、合計13校
(福井県に国立小はないようです)

関東(一都六県)地区:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県に1校ずつと東京には6校、神奈川県が2校の合計13校

近畿7県:三重県1校、滋賀県1校、京都府1校、大阪府3校、兵庫県2校、奈良県2校、和歌山県1校、合計11校

中国5県:鳥取県、島根県、岡山県にそれぞれ1校、広島県に3校、山口県に2校の合計8校

四国4県:徳島県、愛媛県、高知県にそれぞれ1校、香川県2校の合計5校

九州8県:福岡県3校、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島、沖縄県にそれぞれ1校ずつで合計10校

ほとんどの都道府県に国立大学附属小学校があるのですね。

全国の私立小学校

同じく学校基本調査より平成30年度データでみると、私立小学校は全国に231校あります。

北海道:3校

東北6県:青森県0校、岩手1校、宮城県5校、秋田県0校、山形県も0校、福島4校で合計10校

中部9県:新潟県0校、富山県0校、石川県1校、福井県1校、山梨県4校、長野県4校、岐阜県2校、静岡県4校、愛知県3校

関東(一都六県):茨城県7校、栃木県1校、群馬県3校、埼玉県5校、千葉県10校、東京都53校、神奈川県32校

近畿7県:三重県2校、滋賀県1校、京都府11校、大阪府17校、兵庫県11校、奈良県6校、和歌山県2校

中国5県:鳥取と島根は0校、岡山県4校、広島県8校、山口県1校

四国4県:徳島県2校、香川県と愛媛県は0校、高知県は1校

九州8県:福岡県9校、佐賀県0校、長崎県4校、熊本県0校、大分県1校、宮崎県1校、鹿児島県3校、沖縄県4校

私立小学校231校の中で、約半数が東京神奈川を中心とした首都圏に集まっています。

なお、東京都の私立小は今年59年ぶりに1校増えました。世田谷区に東京農業大学稲花小学校が開講し、東京の私立小は全部で54校になりました。

対しまして全国の公立小学校数は平成30年度で19,591校。前年度から比べて公立小はなんと200校近く減っているとはいえ、大多数のお子さんは公立小に通っていることでしょう。

私立231校や国立70校に通うお子さんは、全国で見れば少数派であることは間違いありません。

入試の有無

ご存知の通り、公立小学校にはいわゆる’入学試験’といわれるものはありません。

私立小および国立小学校は、入学する前に何らかの試験(試験内容はペーパー、面接、行動観察、書類審査など各学校による)があります。

難易度はそれぞれで、パターンもそれぞれです。国立も私立も、人気のある学校については倍率も高いので、きちんと傾向と対策を知って準備しないと合格はできないといえます。

国立、私立、公立のどこが良い?

ところで、私はいろんな小学校や幼稚園を日常的に訪問している幼稚園小学校の受験専門家です。よく「国立と公立と私立、どの小学校が一番良いですか?」と聞かれることがあります。


どの小学校もそれぞれ素敵で、実はすごく悪く感じる小学校というのはあまりお目にかかったことがありません。


公立でも私立でも国立でも、本当に子どもたちのために現場の先生方は尽力してくださっていると感じます。


保護者のご希望や要求も色々ですし、いろんな考え方の保護者がいらっしゃいます。国立でも私立でも公立でも、俗に言うクレーマーの方もいることでしょう。


現場の先生がたは保護者に対しても丁寧に対応しながら、子どもたちの指導をし、指導の他にも膨大な仕事を抱えています。全ての先生がたには頭が下がる思いです。


私立・国立・公立の中でどこが一番良い、とは言えませんが、一つだけ言えることは


子どもの個性にあったところ、親御さんの教育観に合うところが一番」だと言えます。

国立、私立、公立の雰囲気

先生がたの雰囲気は学校によって様々です。

<公立の場合>
公立の場合は何年かおきに先生の移動があるため、先生のカラーにも偏りがないように思います。実際、教育委員会のもと学校間の格差がない均一的な教育内容を受けられます。


学区によっていわゆる’荒れている’’荒れていない’の差はあると思いますし、不動産会社などでは「人気の○○学校区」との謳い文句で不動産を売りますが


’荒れる、荒れない’も年によって変わるので、あまり関係ないかな?というのが専門家としての私の見解です。


<国立の場合>
国立の場合は新しい教育法を現場で実践し研究している実験校ということもあり、公教育を支えていく使命があります。研究者肌、学者肌の先生も多いように思います。


国立大学附属小学校はその性質上、教育実習生の授業や、全国から先生方が視察に来たり、自習の時間になることも多いと聞きます。


学校任せではなく、生徒も保護者も自主的に関わっていく姿勢が必要です。


<私立の場合>
私立の先生は、その学校の建学の精神やカラーに惹かれて集まっていらっしゃいます。そして移動もあまりなく定年まで勤め上げるという先生も大勢いらっしゃいます。


長年培われてきた校風(先生がたの雰囲気や言葉遣い、立ち振る舞い、生徒に対するスタンスなど)は、それぞれの私立小学校ごとに一定の統一感があります。


施設の充実度や環境面、カリキュラムの豊富さ、校外活動やキャンプの多さなどについても、私立小の施設や設備や教育方針をみると、(現実的な話にはなりますが)お金が高いだけのことはあるなと感じることがあります。

私立学校には競争原理が働いている

伝統を守ること、改革していくことなど、私立小学校のスタンスは様々です。


学校巡りを日常的にしている私の見解ですが、私立小学校の現場の先生や職員の皆さんからは「学校をさらに良くしよう!」という意識をとても感じます。競争原理が働いているということがあるのだと思います。


私立小は平均して年間100万円かかります。子どもを通わせる価値がないと保護者から判断されれば入学者減少となってしまいます。


家から多少遠くても、授業料が高くても、金額の高さに十分見合う教育が受けられることに価値があると思う保護者がいるから、私立小は成り立っているのです。


保護者に選んでもらうためにも、学校を良くしよう、学校のことを広く知ってもらおう、教育内容をブランディングして差別化を測ろう・・・


私立の現場の先生がたからは、そのような意識がとても高いように感じられます。


何年も前から大学入試改革も見据えた上でのアクティブラーニングやSTEM教育、英語教育のカリキュラムが充実してます。


最近感じたことでいうと、アクティブラーニングの授業は、受ける子どもたちにある程度の素地がないと難しいこともあると思うのですが、


入学試験に向けて一定の努力してきたお子さんには、小学校入学までに「人(先生やお友達)の話を聞くこと」や「指示通りに行うこと」などの練習を一通りしているので、先生方にとってもすぐに授業に入れる体制が整いやすいのかなあと思います。


私立や国立小は「この学校に入学させたい!」「この学校の教育を受けさせたい!』と思って準備してくるご家庭が集まります。


その中から学校のカラーに合う保護者や子どもを選考して入学が許可されます。


その学校を選んで受験してきているので、基本的には「学校の方針に従おう」という保護者で構成されています。学校への満足度も往々にして高いように思います。

子どもは環境に染まって育つ

その学校の世界観、お友達や先生がたの雰囲気、それをひっくるめた環境の空気を吸って子どもは大きくなります。


言葉使い、身のこなし、考え方、いろんなものを身につけてきます。


小学生は、1日の大半の時間を学校で過ごします。6年間という時間はとても長いです。


子どもの過ごす環境を選ぶことができるのであれば、例えば・・・


勉強ばかりさせるのはかわいそう?→ならば質の高い自由教育をする私立小がありますよ。


大学受験がどうなるか分からないから心配?→ならばエスカレーターの私立小がありますよ。


中学受験で難関校を目指したい?→ならば6年生児童の8割が超難関中学合格する私立小がありますよ。


保育園は働く母親をサポートしてくれたけど・・・?→キャリアマザーを手厚くサポートしてくれる私立小がありますよ。


情操教育をしっかり身につけさせたい→例えば、音楽や美術に力を入れていたり、キリスト教などの宗教を通じて心を育てる私立小がありますよ。


英語を身につけさせて留学させたい→公立小は3年生からアクティビティ、5年生から教科化。教えるのはクラスルームの先生だったりします。でも私立は、1年生からネイティブ教師による英語があるところがほとんど。在学中に英検3級をコミットしているような英語教育に特化した私立小もありますよ。



などなど。私立小は「家庭のニーズや希望」に合わせて「選べる」というのが一番大きな違いではないでしょうか。

まとめ

学校にはそれぞれ独自の校風があります。


家庭の教育方針や雰囲気にぴったり合う小学校が見つかれば、子どもだけでなく親御さんにとってもストレスのない安定した学校生活が送れるというわけです。


一度、学区の公立小と私立も国立を含めて、ぜひ学校公開の機会があれば積極的に足を運ばれることをお勧めします。

幼小受験専門家:青木みのり(MBキッズカレッジ校長)profileはこちら