「できない!」と言っていた子が、もう一度やってみるまで

「先生、できない!」

幼児教室では、子どもたちからこんな言葉を聞くことがあります。

折り紙がうまく折れないとき。
積み木が見本通りにできないとき。
ペーパーの問題がわからないとき。

始める前から「できない」と言ってしまう子もいます。

そんなとき、私たちはすぐに答えを教えたり、代わりにやってあげたりせず、まずは少しだけ見守るようにしています。

「ここまではできたね」
「じゃあ、次はどうしたらいいと思う?」

少しだけヒントを出して、もう一度、自分の手でやってみてもらいます。

もちろん、それでもできないことはあります。

また失敗して、

「やっぱりできないよ」

と言うこともあります。

それでも、私たちと一緒に考えながら、もう一度やってみます。

すると、少しずつ手が動き始めます。

そして自分の力でできた瞬間、子どもの表情がパッと変わります。

「先生、できた!」

そのときの顔は、先ほどまで「できない」と言っていた子とは別人のようです。

「できた」よりも、その前にあるもの

こんにちは、MBキッズカレッジ校長の青木みのりです。

小学校受験の幼児教室というと、どんなところを想像されるでしょうか。

机に向かってたくさんのペーパーを解くところ。
難しい問題に正解できるようにするところ。
入試のための訓練をするところ。

そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、小学校受験ではさまざまな課題に取り組みます。ペーパーだけでなく、絵画や工作、運動、行動観察など、学校によって出題される内容もさまざまです。

小さな子どもたちの受験準備をお手伝いする教室として、私たちは、お預かりしている子どもたちが希望する学校とのご縁を結べるよう、日々指導に取り組んでいます。

けれど私は、受験の結果だけではなく、「子どもたちができるようになるまでの過程」こそ大切にしたいと思っています。

最初から何でも上手にできる子はいません。

ハサミが思うように使えなかったり、先生のお話を最後まで聞けなかったり、お友達の前では恥ずかしくて自分の考えを言えなかったり。

一人ひとり、得意なことも違えば、苦手なことも違います。

昨日できなかったことが、今日突然できることもあります。

反対に、先週はできたのに、今日はうまくできないことだってあります。

幼児期の成長は、きれいな右肩上がりではありません。

だからこそ、目の前の「できた」「できなかった」だけで、その子の力を決めてしまわないことが大切なのだと思います。

「先生、やって」から「自分でやってみる」へ

子どもにとって、大人にやってもらうのは簡単です。

「先生、やって」
「ママ(パパ)、やって」

と言えば、きれいに仕上げてもらえるかもしれません。

でも、それでは子ども自身の「できた」にはなりません。

だからといって、困っている子を放っておくわけでもありません。

何がわからないのか。
どこまでは自分でできているのか。
どんな声をかければ、次の一歩を自分で踏み出せそうなのか。

その子の様子を見ながら、必要なところだけ少し手助けをします。

「ここをもう一度見てみようか」
「さっきはどうしたかな?」
「どっちだと思う?」

そんな言葉をかけながら、最後の一歩は、できるだけ子ども自身に歩いてもらいます。

そうした経験を繰り返しているうちに、

「先生、やって」

と言っていた子が、

「ちょっと待って。自分でやってみる」

と言うようになることがあります。

私たちにとって、とてもうれしい瞬間です。

できるようになったことそのものもうれしいのですが、それ以上に、

「もう一度、自分でやってみよう」

と思えるようになったことに、その子の成長を感じます。

小学校受験で育てたいもの

小学校受験の準備をしていると、どうしても、

「何問できたか」
「何枚できたか」
「ほかの子よりできているか」

ということに目が向きやすくなります。

もちろん、受験を目指す以上、必要な力を一つずつ身につけていくことは大切です。

けれど、それと同じくらい大切にしたいものがあります。

わからないことに出会ったときに、自分で考えてみること。

うまくいかなかったときに、もう一度やってみること。

できなかったことが、少しずつできるようになっていく喜びを知ること。

子どもたちはこれから、小学校に入り、その先もたくさんの「わからない」「できない」に出会います。

そんなとき、

「わからないから、もうやらない」

ではなく、

「どうしたらできるかな」

と考えられる子であってほしいと思います。

小学校受験で育てたいのは、ただ「正解できる子」だけではなく、自分で考えて、もう一度やってみようとする子なのではないでしょうか。

幼児教室は「できる子」だけが来る場所ではありません

体験授業にいらした保護者の方から、

「まだ全然できないのですが、大丈夫でしょうか」

とご相談いただくことがあります。

けれど、幼児教室は、最初から何でもできる子だけが来る場所ではありません。

「何が好きなのかな」
「どんなことが得意なのかな」
「どこで困っているのかな」
「どんな声をかけると、この子は一歩進めるのかな」

そんなことを一緒に見つけながら、少しずつ「できる」を増やしていく場所だと、私は考えています。

お子さまによって成長のペースは違います。

同じことを教えても、すぐにできるようになる子もいれば、時間をかけて少しずつできるようになる子もいます。

だからこそ、その子の「今」をよく見ることが大切です。

できなかったことだけを見るのではなく、

「ここまではできているね」
「前より少しできるようになったね」

そんな小さな変化にも目を向けていきたいと思っています。

「できない」と言っていた子が、先生の顔をちらっと見て、もう一度手を動かし始める。

そして、しばらくすると、

「先生、見て!できたよ」

とうれしそうに見せに来てくれる。

そんな小さな成長を、私たちは大切にしています。

幼児教室は、「できる子」が集まる場所ではなく、これからできるようになっていく過程を、一緒に見つけていく場所なのです。

そして、その小さな「できた」の積み重ねが、小学校受験だけでなく、その先の学校生活でも、自分で考え、挑戦していく力につながっていけばと思っています。

それが、幼児期の子どもたちと向き合う私たちの願いです。

「小学校受験の幼児教室って、実際にはどんなことをするの?」

「うちの子は、今どのくらいできているのかな?」

そんな方に向けて、当教室では小学校受験クラスの体験会を開催しています。

お子さまが実際に取り組む様子をご覧いただきながら、現在のご様子や、これからどのように準備を進めていけばよいかについてもお話しいただけます。

まずは、お子さまの今の姿を一緒に見てみませんか。

▶ 体験会の詳細はこちら
https://v8smq.pagehub.jp/

※本文中のエピソードは、当教室で子どもたちと接する中で感じてきたことをもとに構成しています。