[オンライン]夏秋先生(東京農業大学稲花小学校校長)お話会レポート

こんにちは、お受験専門家(幼稚園・小学校)の青木みのりです。

気がつけばもう5月も半ばをすぎ、今年秋の受験本番まで半年もございません。幼児教室は日に日に気持ちが張ってくる時期に突入しております。


そんな中、先日は東京農業大学稲花小学校の夏秋校長先生とのオンラインお話会を行いました。


私が代表を務めておりますMBキッズカレッジ用賀校に関係する皆様、そして外部の方も一部いらっしゃいまして、合計40人弱の皆様とZOOMでつながりました。


こう見えて案外、緊張していたんです。なぜって・・・(夏秋先生はとても素敵な先生で、私の憧れなんです)


お話会は1時間で、前半は夏秋先生からの学校紹介(入試情報含む)、後半は参加者からいただいた質問を、わたくし青木が夏秋先生に直撃インタビューするという内容でございました。


お寄せいただいた質問には、なかなか切り込んだ質問もありました(^^)「なるほど!保護者の方はそこが気になるのか!」という発見もありました。


なかなか受験生の保護者として面と向かっては聞きにくい内容もありますよね・・・。受験生保護者のリアルなご不安が晴れていれば幸いです。


それにしても、どんな質問をしても本当ににこやかに穏やかにわかりやすくお答えくださいました夏秋先生に、心からお礼申し上げます!

農大稲花小 基本情報

東京農業大学稲花小学校の最寄駅は小田急線経堂駅です。MBキッズカレッジのある用賀からもすぐ近くにある、東京農業大学世田谷キャンパスのお隣に位置している私立小学校です。

2021年現在、3年生までの在校生がいる新しい学校です。授業数が多く、勉強をしっかり頑張るお子さんを育てておられる小学校で、英語は1年生から毎日ネイティブの先生による授業があります。

体験型の授業も多く、そこは東京農業大学のリソースも大いに活かして子どもたちの知的好奇心を十分に伸ばしてくださる環境が整っています。

アフタースクールと給食も完備。卒業後の進路は東京農業大学第一高等学校・第一高等学校中等部へ内部進学することを想定されています。


中学受験のサポートはありませんが、併設中等部以外の外部受験を希望することもできます。

秋の入試では応用問題も多く出てくる印象がありますが、基礎からも幅広い範囲から出題されます。新1年生の募集人数72人に対して、昨年は実人数で700名弱のお子さんが入試に挑みました。

知的好奇心が高く、日々の学習に前向きに取り組めるお子さんは、ぜひ進学を検討されることをお勧めします。

夏秋校長先生 インタビュー内容

青木:御校の入試では、月齢考慮は特にありませんが、実際に入学されるお子様の月齢分布はいかがですか?


夏秋先生:月齢考慮はとくにしておりませんが、受験番号の採番時に、同じ月齢のお子様が一緒に受験できるようにしています。月齢が大きく異なるお子様が、混ざって試験を受けることはありません。

実際に入学した児童を見ると、1期生2期生ともほぼ、なだらかな月の分布です。3期生はちょっと春夏生まれが多いかな?と思いますが、早生れの児童もいますので、早生まれのお子様が受験で著しく不利ということはありません。ご安心ください。

青木:在校生は、共働きのご家庭はどのくらいいらっしゃいますか?

夏秋先生:半分以上のご家庭が、お母様もなんらかのことはされていると思われます。下のお子様の受験対応をしていたり、介護などでおうちにいる方もいらっしゃるでしょう。

あるいはお仕事についても、お家で起業されている方、会社員の方、専門職の方、非常勤の方など、様々だと感じています。

青木:子どもへのしつけ、教育の面で、昔ながらの厳しいしつけについて、夏秋先生はどのようにな考えをお持ちですか?

夏秋先生:私自身は割とクラシックな暮らしが好きです。ですから、子どもの言葉遣いや服装、保護者の服装なども気になるタイプですが、入試においては、ある意味、大学入試と同じように合理的に考えています。

きちんとマナーさえ守っていただければ、すごく丁寧な封筒に入れるなどのことは求めていません。それは合理的ではないからです。


入学後には、児童は制服を着て学校にきています。保護者様も制服を着たお子さんに合う雰囲気で学校に向き合っていただければと思います。

子どもは厳しく躾けると萎縮してしまいますね。でも、ダメなことはダメと言わなければ、後から悪い芽が出てしまうと思います。厳しさと優しさを、先生たちと分担しながらやっています。

青木:現在のところでは部活動はないようですが、今後ご予定はどのような感じでしょうか。

夏秋先生:指導要領の中で学級活動やクラブ活動をやることになっていますので、高学年になりますと普通の小学校教育としてのクラブ活動はあります。ただ、放課後に特定の部活動をものすごく熱心にやることなどは考えていません。

少なくとも(農大稲花小は)7時間まであって結構忙しいですし、授業が学校生活の中心だと思っています。

青木:夏秋先生も小学校で授業をされるということで、どんな内容の授業をしておられるのでしょうか。

夏秋先生:私は大学の教員でしたが、大学では博士号を持っていれば授業ができます。でも、小学校は教員免許状が必要です。ですので、小学校の校長になったときに小学校の理科の教員の特別免許状を取りました。私は校長ですが、理科の授業も行えます。

そのほか、体験学習の時間などでも、ゲストティーチャーとして教えています。例えば先日も、1年生に大学のキャンパス巡りの授業をしました。

キャンパスの由来、東京農大の創設者である榎本武揚先生の話、校内に茂るメタセコイアの木の話、大学の建物で太陽光を集めて発電している様子など、様々なお話をしました。

そして今日は、2年生に、お米の観察の授業を行いました。赤いお米、緑のお米、黒いお米、インディカ、もち米、白いお米、わら、モミなどを顕微鏡で観察したり、ワラジやコモ、お酢やお酒など、稲に関連することについて、3時間続きの授業を、1組、2組と、計6時間行いました。

児童たちが興味を持つことはもちろん、それらの経験が、いずれきちんと学力につながることを意識して、授業を行なっております。

青木:クラス担任の先生は年度での交代ですか?

夏秋先生:1期生の例ですと、1年生と2年生は同じクラス、同じ先生です。低学年のうちは、学校で心細くないように、先生に懐いて、先生を大好きになってほしい。そして学校も大好きになって心が安定すれば、友達とも仲良くなれるし勉強にも集中できると思っています。

中学年になると、羽ばたく時期です。新しい先生や友だちとも頑張れるようにと、3年生になる時に、クラス替えをして担任の先生も替えました。

また、それに向けて2年生の3学期のうちに、担任交代ウィークとして1組の先生と2組の先生を一週間交替しました。児童たちは、どんな先生とも楽しく勉強できるように育てたいと思っています。

青木:1年生から6時間の授業ですが、仮に学校の勉強についていけなくなった時は学校からのフォローはありますか?

夏秋先生:1年生から3年生までで、勉強についてこれないということは、これは多分、保護者が児童の忘れ物をしても気に留めていないとか、鉛筆を削れていないのに見ていないとか・・・頭の問題ではないと思っています。入試を経て来ている、みんな本当にいい子ばっかりですから。

勉強や授業に向かう姿勢ができているかどうか、身体が疲れていないか、あるいはイライラして友達と突っつきあってばかりいないか、そういったことの方が大事だと私は思っています。


今のところ、授業についていけないほど遅れる、ということはあまりありませんが、1期生も3年生になり、これからはこういった差が出てくるとは思います。

例えば授業に集中してなくて漢字ができない、計算ができなくなる、という遅れの「兆し」があった時に、学校と保護者で協力するということはあると思っています。遅れてしまう前にフォローしようというのが私の考えです。


青木:夏秋先生からご覧になられて、今の3年生の英語力はどのくらいの力がついてきていると思われますか。

夏秋先生:自分の伝えたいことを、文として話せるところまではまだ達していないと思います。1年生でゼロから英語をスタートしている児童がほとんどです。

幼稚園で英語やっていた児童も、のんびりしていたらすぐ他の子に追いつかれますし、1年生の秋にはあまり差がなくなっているように感じます。3年生からは会話がもう少し膨らむようにしていこうと思っています。

青木:教育カリキュラムは中高の先生とすり合わせや調整があったりしますか。

夏秋先生:農大一中高はすぐ隣の敷地で、密接な連絡をとっています。今後、進学の話もありますので、3年生の保護者向けに農大一中高の教育理念についてお話ししてもらったり、中等部の様子なども見ていただく予定です。

保護者の皆さんには、「偏差値が高い」から、ではなく「教育内容がいい」学校と思っていただいて、そこで進学を考えていただければと思います。

また、内部進学というのはどこもそうですけれど、塾に行っての受験勉強をしていませんので、入学時に同じテストをすれば、受験して入学してくる子に負けてしまうかもしれません。

でも、農大稲花小のカリキュラムで培った知的好奇心や、学びの底力からくる学力の伸び代を評価していただけるよう、私たちも頑張らなくてはいけません。

青木:夏秋先生の任期はありますか。

夏秋先生:あります。まず1回目に任期が来るのはあと2年後です。学校法人理事長のお考え次第ですが、重任も可能です。私としてはこの1期生が卒業するまでは、責任を持ってやりたいと思っています。

大切なことは、私が退任をした後、新しい校長先生が来たからと言って、農大稲花小の方針がガラッと変わることは良くないと思っています。私の任期の間に学校の柱をきっちりと作って、その柱を守っていただける後継者に繋げていきたいと思っています。


皆様のお子様が入学した時、最後まで私はいないかもしれないのですが、そこはご心配なくとお伝えしたいと思います。

青木:入試の事前面接の際、受験生が双子の場合はどのような進行となりますか?

夏秋先生:双子の受験生の場合、「事前面接質問票」は、別々に作成していただいています。保護者の考え方などを書く場合は、同じ内容でも構わないと思います。

面接を行う際は、双子は続き番号としています。受験番号が早いお子さんから面接をしますが、もう一人のお子さんは部屋の後方で待機していただいて、1人目の面接後、交代して2人目の面接を行なっています。

青木:食育について非常に大切にされていらっしゃいますが、その観点から受験者の体型の印象は判断基準に入るのでしょうか。

夏秋先生:いま質問されて「ああ、そんなこと考えたことなかったな」というのが率直なところです(笑)。お子さんというのは1年経つと体型も顔つきも変わります。健康であることが大事かなと思っています。

青木:アレルギーではなくて、著しい偏食のお子さんなどはご家庭でもきちんと見てあげたほうが良いとお考えですか。

夏秋先生:はい、それは思います。私どもは給食の完食を求めたことはないですが、お友達がどんどん食べてお代わりをしていくので、刺激されて食べるようになることが多いようです。

給食では割と早い時期からお魚とか出るんですよ。お箸で食べるんですが、家で今までお母さんが全部食べさせていた子はお魚を箸で食べられません。

だけど、1ヶ月もすると周りの子に引きずられて段々とお箸も何とかなっていくかなと。でもやっぱりお家でも努力していただけたほうが子どもは楽しいんじゃないでしょうか。

青木:子どもたちの座る姿勢、鉛筆の持ち方と言った基本的なことは家庭でもしっかりと大切に見てあげていただけるとよいですよね。

夏秋先生:私は本当にそう思います。姿勢が保てないということは授業中に持たないということです。40分を6コマ、場合によっては7コマやるときに、椅子に座っていられなかったら授業に集中できませんね。

あと鉛筆がしっかり持てることも大事です。鉛筆で遊んでしまうとか、消しゴムで遊んで落ち着きがないというのは、これはなかなか難しいです。

ぜひお家でも、やるときはやる、集中するときは集中する、遊ぶときは遊ぶというお子さんにしていただけるといいかなと私は思います。

青木:入試において、傾斜配点はありますか?

夏秋先生:入試の配点や部分点の有無については、非公表としています。採点についてはお任せいただければと思います。本当に公平に、採点者、チェック、そして最後は私が採点のチェックや点数の足し算のチェックもしていますので安心してください。

そして試験というのは、途中では諦めてしまったらダメです。途中で何かあってもくじけないで粘り強く頑張っていく、というところを見せていただければと思います。

・・・以上、お話会の記録をもとに、わたくし青木が文章にいたしました。

夏秋先生の穏やかで優しいお話に、あっという間の一時間でした。