超名門校に合格する家庭の品格
こんにちは、MBキッズカレッジ校長の青木みのりです。都内で幼稚園・小学校受験に向けた指導を行っています。
いわゆる「お受験」が専門分野の幼児教育者ですが、私自身は地方公立出身で、大学も国立。上品な私立学校は1ミリも通ってきていません。
ブレイクダンス観賞が趣味で、職業がら都内近郊の私立・国立の幼稚園や小学校の受験オタクではありますが、いわゆる華麗なる一族出身ではありません。
ごく普通の一般市民である私が、本日は「超名門校に合格する家庭の品格」というテーマで記事を書きます。
せめて精一杯、姿勢を正して書きたいと思います。
超有名私立小に入る家庭は一言でいうとどんな家庭だと思いますか?
何をもって「超有名私立小」と言うか?これは人によってイメージする小学校が異なるでしょう。
私のようなものからすると、田雙も暁星も成蹊も揺るぎなき「超有名私立小」です。(でも、もしかしたら関東以外のところにお住まいで、小学校受験に全く関心のない方からすると「聞いたことない学校」かもしれません。)
しかし、多くの方にとって「慶應」とか「学習院」とか「青学」とか「立教」という学校名は、一度はお聞きになったことがあるのではないでしょうか?
ここでは「お受験業界の専門家として、超有名小学校だと思う学校」や、「小学校受験を毛頭考えていないご家庭でも、一度はどこかで名前を聞いたことがあるような有名な学校」を「超有名私立小」と定義いたします。
さて、結論から言いましょう。
「超有名私立小学校に合格するご家庭は、品格がある。」
以上。
華麗なる一族のご出身であっても、ごく普通のサラリーマン家庭であっても、超有名私立小に入る家庭には品格があります。
とはいえ、品格のある家庭って何だろう?何ですか。

品格のある家庭の食事風景
そうですね・・・では、例えば三度三度の食事の時を思い起こしてください。品格のある食事風景とはどういう食事風景でしょうか。
食卓の準備は子どもたちが率先してお手伝いします。四角いテーブルを拭く時には、台拭きを縦に持って固く絞って、四角く畳んで、そしてテーブルの形に沿って四角く拭きます。
親御さんはどんなに仕事が忙しくても、食事の時には家族揃って、全員が食卓に着いてからみんなで「いただきます」をして食べます。テレビのバラエティ番組がついていたり、ユーチューブを見ながら食事をすることはありません、多分。
お食事のメニューが豪華かどうかは、さほど関係ありません。たとえ質素なメニューだったとしても、食材には旬のものを取り入れて、テーブルに飾られた一輪挿しの花に季節を感じながら、献立の野菜の産地について楽しくお話ししながら食べる。
いやいや、品格のあるご家庭だって、たまには夕食にハンバーガーとポテトとコーラを食べることもあるかもしれません。
かくいう私も白状いたしますと、締め切りに追われたときの夕食は、しばしば教室の裏手にあるロッテリアになることもあります。
もし仮にハンバーガーとコーラが夕食だったとしても、食べる時の話題が温暖化や資源についてなどを話し合うものだったり、食べている時の姿勢や、食べた後のゴミの片付け方が丁寧だったり
あるいはお店を出る時にさりげなく椅子やテーブルを元の位置に戻すなど・・・そのような家庭の雰囲気があれば、どうでしょうか。品格を感じませんか。

品格のある家庭の言葉使い
仕事を終えて帰ってきたお父様が、忙しく夕食の支度をしているお母様に「ママ、お茶」「ママ、新聞」「ママ、ビール」と言うスタンスで接することも、まぁありますか?どうですか?
言葉のニュアンスが、たとえ愛情を持った「ママ、お茶」だったとしても、子どもはそれをよく見て吸収します。すると、子どもも「お茶!」「タオル!」と言うようになるでしょう。
人にものを頼むときは「お茶を取ってください」という言葉使いが望ましいですね。
(もっと言うと、そもそもお茶は自分で用意しましょう。)
「自分のことは自分でする」とは、そういうことです。
反対に、子育てや仕事に忙しいママも「ちょっと!パパ手伝ってよ!(怒)」って言ってしまうことも・・・ありますか?ありませんか?
「ちょっとパパ、タオル!(翻訳:こどもがお風呂から出てくるのでタオルを取ってください)」「パパ!早く靴!(翻訳:子どもの靴が脱げたから履かせてください)」「ああ〜!パパ!麦茶っ!(翻訳:子どもが麦茶こぼしてしまったから早く拭いてください)」どうでしょうか?
たとえ実際に口に出さなくても、その苛立つ気持ちを態度に出してしまうことなら、きっとあるかもしれませんね。
語彙数、言葉の使い方、喋り方は、育つ環境によって大きく変わります。
「語彙数」というと絵本の読み聞かせを思いつく方もいらっしゃるかもしれません。もちろん絵本の読み聞かせはとても役立ちます。
しかし「言葉使い」や「喋り方」というと、絵本の読み聞かせだけではなく、普段の家庭生活で(あるいは園生活で)どんな言葉でどんなことをしゃべっているか?というほうが影響が大きいです。
仲の良いママ友さんたちと久しぶりにお茶したとしましょう。そのとき、どんな言葉使いをしていますか?
「超ウケるんだけど!(笑)」とか「マジウケる〜!」とか、ワイワイと楽しいおしゃべりですね。
その時、ご一緒にいる5歳児さんは、会話を聞いていないようでよく聞いています。吸収力もすごいです。
ちょっとワルい匂いがするものほど、こどもはよく真似します。
結果、行動観察の時に必ず出ます。友達同士でワイワイ5歳児が喋るというのはそういうことです。
みんなで協力して積み上げたブロックが崩れれば「超ウケるんだけど!(笑)」とか・・・。得てして手元が狂ってクレヨンが床に散らばったら「まじヤバ〜!」って、いかにも楽しそうに喋ってしまうかもしれません。
・・・行動観察のお試験で。
普段しゃべっているご家庭での会話と同じような温度感、同じような語彙、同じような喋り方が出てしまうのが行動観察です。
有名私立小の試験官の先生の目はごまかせません。付け焼き刃では、ものの3分ですぐにバレてしまいます。
ましてや、パパがママに日常的に「ママ、新聞!」「ママ、片付けて!」と命令口調で話しているご家庭では、行動観察で「先生、クレヨン!」って無邪気に命令口調を使ってしまいますね。
超有名私立小を目指す場合は、ぜひ気をつけてください。

品格のある家庭の態度
ちなみに、幼児教室や模擬試験というのは、受験のために予行演習をする場所でもあります。
子どもにとっても、親御さんにとっても、ふだん通っている幼稚園や保育園の先生とはまったく違う、受験校の先生に接する際の練習の場なのです。
にも関わらず、例えば模試の入り口や幼児教室のお会計受付で、お財布を開いて支払いの現金を出しているとかありませんか?
ましてや受付で「えっと、あのさ、ここカード使える?」みたいなラフな言葉使いをする保護者のかた。
特にお受験界隈がどんな世界観かご存じないお父様にこそ真実をお伝えしたいです。どうか以下のことをご理解ください。いいですか。
「有名私立小というところは、驚くほど保守的で伝統を重んずる業界」です。
「えっと、ここ、カード使える?」と言ったお父様も、上から目線のつもりがあってもなくても、相手がたの私立小からするとかなり砕けた印象になります。
「砕けた言い方が相応しくない場で、ちょっと砕けちゃった大人」に映ります。周りから見て「ちょっと恥ずかしい大人」と映ります。
保護者の砕けた態度には、先方の私立小の先生がたからすると相当の違和感があるのです。
一流の私立校に受かる「わきまえのある保護者」なら、幼児教室や模擬試験会場においても、実際の受験校と同じようなスタンスで振る舞うということが身についています。
幼児教室や模試会場というのは、実際の入試の予行演習の場だからです。
練習を本番だと思い、本番を練習だと思う心構えで準備をすることが大切です。「練習は本番のように、本番は練習のように」・・・スポーツする方はみなさん、きっとご存知ですね。
どんな方にも態度を変えず、謙虚な佇まいの保護者からは、きっと謙虚な振る舞いができる素直なお子さんが育ちます。
幼児教室の先生や模試会場での態度や振る舞いがラフになりがちなお父様、お母様には、ここをどうかご理解いただけるといいなと思います。
あ、ちなみに。
幼児教室の窓口や模試会場の会計受付では、お札をあらかじめ銀行で綺麗な新札に変えて、お釣りのないようにきちんと鳩居堂(でなくても構いませんが)の封筒に入れて準備しておきましょう。
そして、受付係のかたに渡す時には、きちんと両手で相手の方に封筒を向けて渡します。
郷に入っては郷に従えです。結婚式や葬儀のように、お作法があるのです。
有名私立小学校を受験するということは、そういうことです。

品格のある家庭の文字
幼児教室や模試会場で提出する記入用紙の書き方ひとつとっても同じです。
わきまえておられる親御さんは、提出する書類は全て、丁寧で癖のない美しい文字で書く。教養として美しい文字を書くことが身についている。
字の上手い下手というより「丁寧かどうか」。
「文字は丁寧に!」小学校で習いましたね。私立小受験の世界でも、手書き文字には思った以上に「とめ、はね、はらい」が大切なのです。
流れ文字になっていないかどうか。適当な文字になっていないかどうか。
細かいようですが、丸印のつけ方ひとつとっても、細かいところまで意識が行き届いている家庭なのか否かは透けて見えて来るのです。
幼稚園や幼児教室だけでなく、身の回りに存在する書類も全て同じです。一枚の宅配便の伝票を書く文字も、読む人のことを考えて丁寧に書く余裕があるかどうか。
時間に余裕を持って、物事に丁寧に当たること。
「いいんだよ、本番だけはちゃんとやるんだから」という人は、特に気をつけてください。「練習は本番のように、本番は練習のように」です。
そして文字だけでなく、人に接する態度を見直しましょう。
幼児教室の先生はもちろん、保育園や幼稚園の先生にも、模試の会場の先生にも、八百屋のおじさんにもスーパーのレジの人にも、外食に行ったレストランのウェイトレスの方にも、いつどこでも穏やかに丁寧に振る舞いましょう。
5歳児は、その親の背中をよく見ています。有名私立小を目指す場合は、どうぞお気をつけください(←2回目)

品格のある家庭のまとめ
奥深き、私立小学校お受験の世界。
品格のあるご家庭というのは、人に対して敬意をはらった心遣いができるご家庭ということ。
毎日を丁寧に過ごせる余裕のある家庭ということ。
そこを有名私立小では見ているのです。
小学校受験は性質上、ペーパーテストの結果(偏差値)だけで決められてしまう中学受験や高校受験、大学受験と大きく違います。
きちんと先生に体を向けて、目を見て足を止めて挨拶してますか?
校門の守衛さんにも同じようにできていますか?
子どもはしっかり見ています。「うちの子、挨拶できないんです」という前に、親が自分の襟を正す必要があります。
それが意識しないで自然にできるようになるまで身について、初めて子どもにも謙虚さや丁寧な立ち振る舞いが浸透するのだと思います。
もっと言うと、華麗なる一族の皆さんは、代々それを自然にやってきています。それが脈々と受け継がれる家庭の品格ということ。
サラリーマンであっても、自営業のかたであっても、どんなかたであっても、保護者として謙虚で素直で、わきまえのある品格のある親になれば、子どもは必ず変わります。
ほんとうに一種独特な東京の私立文化ではありますが・・・
入試により品格を選抜されたお子さんとその家庭の集う有名私立小で過ごす濃い時間。お子さんはさらに品格のある大人に育っていくことでしょう。
お子さんのお受験をきっかけに、家族が一致団結して品格のある家庭へとバージョンアップできれば、それはきっと素晴らしいことだと思います。

