[学校訪問記]桐蔭学園小学部(2019.12.3)

2019年も年の瀬。こんにちは、楽しい知育&お受験専門家の青木みのりです。
東京・神奈川の私立幼稚園&私立小学校の受験が落ち着く12月ごろから、いわゆる幼児教室の先生を対象にした入試説明会が開かれるようになります。
12月〜2月くらいにかけて、あるいは新年度が開けた5月くらいに行われることが多く、各塾の塾長や教室長、あるいは大手だと本部の社員がいらっしゃいます。
幼児教室というのは、このように毎年学校に足を運んで、実際の入試の様子を入試広報の先生から伺って、毎年の入試の様子を情報収集しアップデートているのです。
ちなみに幼児教室同士は同業他社ではありますが、あまりギスギスした雰囲気はなく、フレンドリーな穏やかな雰囲気です。
割としょっちゅう顔を合わせるので、顔見知りにもなりますし仲良くもなり、横のつながりもある業界です。
ということで、東急田園都市線の青葉台からバスに揺られて桐蔭学園小学部の今年度の入試説明会に伺ってきました。

非認知能力を育成する桐蔭のアプローチ
「非認知能力」という言葉はお聞きになったことがあるかもしれません。私たちの業界では聞かない日がないというくらい、一般的なキーワードになってきました。
一言で言うと「非認知能力=目に見えない能力」です。
桐蔭では非認知能力の中でも「強い気持ちや達成感を育てる」ということを重視しておられ、失敗しても次につなげる努力が出来るかどうかを大切に育てていらっしゃると感じました。
偏差値や点数で測れない能力=非認知能力というと、ともすれば印象として「自由でのびのび〜」というイメージだけをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
学校によって非認知能力を伸ばすアプローチはそれぞれあるのですが、桐蔭の場合は「やることをきっちりやる。きっちり頑張る!」というスタンスなのだなと感じました。
授業ではアクティブラーニング が取り入れられており、一斉授業の中で「先生のお話を聞く(インプット)」→「お友達と協働する(アウトプット)」→「振り返り」というスタイル。
主体的な学習の習慣化をはかっています。
「難しかったことに頑張ってトライして、できた時の喜び」を味わうことで自己肯定感を育てるのが桐蔭スタイルなんだなあと感じました。
実際に、小学生になったら「なんでもかんでも褒めておだてて、ハイ!自己肯定感の出来上がり」とは行きません。
目標を設定して頑張ることや、友達と協力しあってコミュニケーションを取ること
ワガママに自我ばかり通すのではなく、どうしたら意見の違いを受け入れ相手を尊重できるか?ということ
そのような点をきちんと桐蔭独自のルーブリックで評価し、非認知能力の伸長を図っているとのことでした。

今年の入試の傾向と対策
今年の桐蔭小学部の入試問題は、ほぼ例年通りでした。
ペーパーは30分の時間配分です。主にお話の記憶と図形の2つ。
分野でいうと、言語、記憶、思考、推理、常識、数量、図形、置き換えなどの問題が複合的に出ています。
桐蔭のペーパーの特徴は「図形に特徴あり!そして難しい」です。
実際の問題を見ましたが、これは大人にとっても途中で嫌になるかもしれません(笑)
頭の中で複雑に見える図形を回転させて動かすことに慣れていないと、解けません。。。
この「図形を回転させるトレーニング」は、すなわち「頭の回転をよくするトレーニング」でもあると思っています。
図形をぐるぐる回して頭の中でしっかりイメージすることで、頭の使い方のトレーニングができる。
空間認知能力や思考力を鍛えるのにも、幼児のうちに遊びながら具体物(パズル・タングラム・パターンブロックなど)を使って図形に親しんで多くことが、頭の回転を良くすることに直結していると考えます。
そのほか、集団テストではジグゾーパズルやドミノ並べを使った自由遊び。
ここで「失敗したり、できなかったりしても根気よくやれているか」「他者を思いやることができているか」という点など、多角的・総合的に判断されます。
なお、来年度の入試については今までと変更点があります。今年度までは男女混合でテストしていたが、来年の秋の入試は男女別グループ編成による方式で行われる模様。
また、来年度から募集は1回となり、入試日は1日のみとなります。

定員割れしても不合格を出すのが私立
2020年度の桐蔭学園小学部入試としては、募集定員70名のところ志願者は398名でした。
志願倍率としては5.68倍ですね。女子と男子では男子の方が多い様子が伺えました。
志願者の過半数の方は東京にお住まいとのこと。対しまして入学者は神奈川県内の方がおよそ8割ほどとなります。
ちなみに桐蔭学園幼稚部では、募集人数30名のところ志願者は33名、でも合格者は25名です。つまり定員割れしてでも8名の方が不合格となっていますね。
募集人数に対して合格者の数を数えると「定員に満たない=定員割れ=人気ない=誰でも入れる」のような公式を頭に浮かべる方もいるかもしれません。
確かに、ビジネスの世界では一般的に1席でも空席があればなんとか埋めようとするかもしれませんね。
しかし私立小学校や幼稚園では、そのようなことがありません。
「この子(このご家庭)は、うちの校風に合わない」と学校が判断したら、落とします。その方が、長い目で見てお互いにとって良い結果となるからです。
私立の幼稚園や小学校を選ぶということは、ある意味、婚活と一緒だと思っています。結婚はゴールではなくスタート。同じように合格はゴールではなくスタートだからです。
まず、何よりも一番考えなければいけないのはお子さんのこと。その学校の校風や授業ペース(宿題ペース)などが、発達や理解力に合わない学校に入ってしまうと、後々苦しい思いをすることになるでしょう。
保護者にとっても、「(ウチの子を)こう育てて欲しいのに!」という思いと、学校側のアプローチが違うと、モヤモヤしたり不満に思ったりすることになるかもしれません。
真剣に学校のことを知ってから受験すること、我が家の考えや雰囲気に合うかどうかを面倒がらずに検証する、それにはできるだけたくさんの私立小(幼稚園)を見に行くことが必要と感じます。
我々プロは、何年にもわたって様々な学校を見ているからこそ縦軸と横軸で学校選びを語れます。
経験値を高めるためにも、時間の許す限り、お子さんの小学校(幼稚園選び)には1つでも多く学校見学に行き、校風を感じてくるということを心からお勧めします。
学校が長年の伝統の中で培ってきた文化や校風に、ご家庭が合う合わないを判断するということが大切です。
あなたが愛してやまない、お子さんのためにも・・・。
子育ての青春時代を送っている、お母さん自身のためにも・・・。

