共稼ぎ家庭が幼稚園受験する時の3つのポイント

こんにちは、青木みのりです。

私は普段、地元の世田谷と江東区・港区湾岸エリアの人気幼稚園への入園準備や、国立、私立小学校の入学準備をする幼児教室の校長をしています。

いわゆるお受験の先生ですが、「子どもの個性をとことん見極めて」、そこに「独自に収集した膨大な幼稚園情報を加味」して、お子さんにぴったりの幼稚園が見つかるように、そして倍率が厳しい幼稚園からもご縁を無事にいただけるように、日々保護者の相談に乗っています。


最近、グッと増えたのが「コロナ禍で仕事がリモートワーク中心になったので、保育園ではなく預かり保育のある幼稚園(こども園)に転園させたい」というご相談です。


今日は「共稼ぎ家庭が幼稚園受験をするときに大切な3つのポイント」のお話です。

1)お受験して転園させてまで幼稚園に行くメリットを自問する


幼稚園といっても、公立の幼稚園にはお受験はありません。私たちの幼児教室がある世田谷区や江東区でも、公立幼稚園の場合は入試ではなく、希望者が多ければ抽選ということになります。


ちなみに世田谷区では区立幼稚園が8園ありますが、こちらはかなり空きがあります。何故か?それは「全て2年保育のみ」で「徒歩または公共交通機関を使っての登園」となるからです。


2年保育(4歳〜)の区立保育園は、3歳から預けたいご家庭のニーズには合っていないんですね。


同じように、江東区の場合も同じように区立幼稚園には入試はありません。定員がオーバーすると抽選です。


その江東区の場合、2021年4月入園の幼稚園選考において抽選が出たのは、江東区立幼稚園20園のうち、特定のたった2園のみ。


それは、3年保育のある南陽幼稚園と豊洲幼稚園です。


江東区ホームページによると、南陽幼稚園3歳児(定員60人に対し104人が希望・44人超過)、豊洲幼稚園3歳児(定員60人に対し85人が希望・25人超過)となっています。


つまり、2年保育ではなく圧倒的に3年保育のニーズが高いのです。だから区立幼稚園でも3年保育のある2園のみ定員オーバーで抽選が出るのです。


逆を言うと2年保育の区立幼稚園を選べば、お受験しなくて済みます。


私立幼稚園は3年保育がデフォルトになっており(中には4年保育を行うところもある)、給食があったり園バスがあったり、伝統のある幼稚園だと脈々と受け継がれてきた園独自の教育方針があります。


共稼ぎ家庭だと、おそらく預かり保育のある園を狙うことになりますが、「園バス・給食・預かり保育」という、幼稚園の3種の神器が揃っている幼稚園は特に希望者が多く集まります。


定員に対して希望者が多く集まると、幼稚園側は全員を受け入れるわけにはいきません。私立幼稚園にとって、入園希望者が多いということは「園の雰囲気に会う(教育方針に共感してくれている)入学者を選べる」ということで、何らかの入試を行うこととなります。


親子面接や願書(書類)だけでなく、子供に対する自由行動観察や指示行動観察などのテストですね。


人気のある私立幼稚園であれば、いわゆるご近所園(名門私立学校の附属園ではない、ご近所にある普通の幼稚園)であっても、倍率が出て幼稚園に落ちるお子さんが出てきます。


例えば学習院とか青学とか、いわゆるみなさんが想像する「The お受験の幼稚園」で、不合格ならまだ諦めもつく。

でも、みんなまさかご近所の幼稚園に落ちると思っていないんです。心の底ではみなさん「うちの子が(ご近所の普通の幼稚園に)落ちるはずない」と思っているんです。


残酷なことに、保護者が考えている合格の基準と、入園者を選べる立場の人気幼稚園側が考えている合格の基準って、実はかなり乖離しています。だから不合格になる。

それは保護者にとって(特に母親にとって)ものすごくキツイんです。


幼稚園の入試を受けて不合格になると、今までの子育てを全否定されたような気持ちになってくる。


そんなリスクを背負ってまで、通い慣れた保育園から幼稚園に転園したほうがいいか?ということは、出願前に考えておく必要があると思います。


でも、実際に幼稚園に足を運んでみて、その幼稚園の文化や教育方針や先生がたの雰囲気に共感を強く覚えて、「我が子を絶対そこに行かせたい!」と思えるような幼稚園だったら


お受験に向けた準備をして幼稚園に転園するメリットは十分ある!と考えています。


「この幼稚園に我が子を通わせることができて本当に幸せ!」という心から安心できる環境で、幼児期の貴重な3年間を過ごさせることができるのは保護者にとってものすごく満足度の高いことだからです。


そして、保護者の満ち足りた気持ちがお子さんに良い方向で作用するからです。


加えますと、入試に合格して幼稚園で出会うお友達は、同じようにお受験に向けて身辺自立を整えて、躾を受けてきたお子さんたちです。ある一定の水準を持って入園してきます。


ということは、その幼稚園の先生たちにとっても「手のかかる子が少ない→授業のカリキュラムが進めやすい」

結果として、質の高い教育内容や教育環境が保てる、ということもあるでしょう。


そういった部分に期待を寄せられる方には、わざわざお受験してでも保育園から私立幼稚園への転園をチャレンジしてみることをお勧めしています。

2)預かり保育、給食、園バスの側面も知っておく

さて、幼稚園の3種の神器と言われる「預かり、給食、園バス」について。まず給食にスポットライトを当ててみましょう。


幼稚園のお昼ご飯のシステムは主に、(1)園内調理(2)園外調理(3)給食なし弁当持参、の3パターンがあります。


保育所って、ほとんど園内で給食を作っていると思います。(確か3歳以上であれば外部調理施設から搬入したお弁当給食でも良かったと思うんですが、0〜2歳の間は園内調理が基本だったと思うので・・・)


園内調理のシステムのある保育所に通っているお子さんの給食は、園で作ったものを温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で提供されていますよね。


私の知る限り、幼稚園の場合は調理施設を持っている幼稚園がとても少ないです。


世田谷区でいうと、私立幼稚園は53園あって、そのうち自校調理施設のある「幼稚園」はたった2園だけ(春光幼稚園と日本女子体育大学附属みどり幼稚園)です。


今まで通っていた保育所では園内調理で給食が提供されてたとしても、幼稚園の給食事情はちょっと違う、ということがお分りいただけると思います。


園内調理室のある幼稚園では食育にとても力を入れている印象があります。食材の産地や、旬のものを意識されていて、子どもたちも食に関する関心を高く教育されているような。


もちろん園外調理の給食であっても、週に何回かだけでも利用できると、忙しい保護者にとってはありがたいシステムです。その際には、どんな業者がお弁当を作っていて、どんな風に配達されるのかを園見学などで知っておくと安心ですね。


例えば、配達されたお弁当が(ケースに入っているとはいえ)幼稚園の玄関先の廊下に積まれていたりすると


「ケースに入っているから別に気にならない」という方は良いですが、「食べるものを地面に置くことに違和感のある」という方はちょっとモヤモヤするでしょう。


給食のない幼稚園でも、「実は幼稚園児のお弁当って、作ってみるとそんなに大変でもない」という声もよく聞かれます。


食べるもの(例えば産地とか、食材とか)にこだわりたいご家庭、アレルギーのお子さんで心配な場合はあえて給食のシステムがない、自宅からお弁当を持っていく幼稚園を選んだ方が良いと思います。


給食だとお子さんの食べる量や食べ物の好みにピッタリとは合わせてくれないですからね。ご家族の方が我が子に合わせて量や食材を調整できるお弁当持参の方が安心です。



それとですね。今は随分少なくなってきているとは思いますが、給食の場合に完食指導(完食するまで席を立ってはいけない等)のある園もあります。


完食指導は「作ってくれた人への感謝、食べ物を粗末にしないこと」などを学べる機会でもありますが、少食のお子さんや偏食の多いお子さんにとっては負担となることがあります。その辺りは入園予定の幼稚園のスタンスを知っておくと良いでしょう。


さて、幼稚園バスについては、皆さんのイメージはどんな感じでしょうか?


私は、バスガイドさんみたいな感じでお歌や絵本を読んでくれる先生がバスに乗っているワイワイ楽しいイメージでした。実際はそんなことはありません。「前を向いて静かに座っている」のが園バスです。



もし園バスに乗っている時間が往復30分あるとしたら、「親子のふれあいの時間に充てたい」という方もいるかもしれませんね。実際に、幼稚園への送迎の時間こそ、忙しい毎日の中で貴重な親子のふれあいの時間に充てやすいといえます。


小学校受験においても、通園時間はしりとりをしたり、季節の花を覚えたりする貴重な時間にされている方が多いように思います。


働きながら小学校受験も検討しているのであれば、送り迎えの時間を活用しにくい園バスでの通園をもったいないと思うかもしれません。検討事項に入れておくと良いと思います。


さて、預かり保育についてですが、預かり保育の内容にまで気をつけてチェックすると良いでしょう。


預りがあるとはいえ、幼稚園のメインの授業時間はだいたい10時から2時。それ以外の時間はオプションのお預かりということで、通常授業やカリキュラムを行う時間ではありません。(通常の時間で帰るお子さんに不公平になってしまいますからね。)


通常カリキュラムとしてではなくて、預かり時間内にはいろんな課外プログラムを設けている幼稚園はあります。バレエとか、体操とか、英会話とか。それは幼稚園の活動というより、習い事を幼稚園で行うイメージですね。


課外プログラムではなく、幼稚園の降園後のお預かり時間には、子どもたちはゆったり過ごすことが多いと思います。その時にホールに集まってアニメのDVDを見ながら過ごす園もあります。


・・・別にアニメのDVDが悪いわけではありません。でも、例えば家庭の方針で「積極的にアニメを見せたくない」というご家庭にとっては、預かり保育の内容にちょっとモヤモヤしてしまうかもしれませんね。


例えば、戦隊モノ、クレヨン◯◯ちゃん、アン◯ンマン、ドラ◯モンなどは、ご家庭の方針によって好き嫌いがはっきりしていて、気にする方は割といらっしゃいます。

預かり保育の内容はクリアできたとしても、保育所と明らかに違う点としては「預かり保育の利用枠が限られていたり、夏休みや春休みなどで預かり保育がない場合も多々ある」ということです。


また、保育所だと給食後の午睡で睡眠時間を補いますが、幼稚園では基本的にはお昼寝がありません。保育所モードで夜21時や22時の就寝になってしまうと、お子さんにとってはかなり眠い幼稚園生活を送ることになります。

(3)保育所と幼稚園の文化の違いを理解する

共稼ぎ家庭で幼稚園受験をするときに、一番大切だと思うポイントは「保育園(保育所)と幼稚園の文化の違いを理解すること」です。


保育所は、厚労省が管轄の児童福祉施設ですね。幼稚園は文部科学省の管轄で、教育施設です。(→10年前、保育士の資格をユーキャンで勉強していたときに学びました。ちなみに丸3年かかって1科目落とし続け、結局保育士資格は期限切れで得られませんでした・・・涙)


仕事がらこども園や幼稚園を多く訪問している私の見解としては「保育所は保護者の都合を分かってくれようとする文化、幼稚園は子どもの教育を一番に優先させる文化」と感じています。

保育所から幼稚園に移る時、保育所と同じ感覚で行くとギャップがあるのは、幼稚園はベースとなる文化が違うことなのだと思います。


保育所では共稼ぎ家庭がデフォルトですが、幼稚園の場合はもともと専業主婦がデフォルトだった時期が長い施設です。脈々と受け継がれてきたそれぞれの園の文化の中で「働くママ寄り」なのか「子ども寄り」なのかで中の雰囲気が全く異なります。


ご家庭において、両親ともに働くことに主眼を置くのであれば保育所の方がやっぱり居心地良いと思います。幼稚園の場合は、働いていることをエクスキューズできない感が多かれ少なかれある。


子どものトイレトレーニングにしても、保育所だと親御さんが知らない間にオムツがいつの間にか取れていたりする。保育所でトイトレ完了、みたいな感じです。


でも、「幼稚園の場合はトイトレが完了してから入る」ことを良しとする雰囲気を感じることが多々あります。「お子さんのトイトレは、親御さんがしっかりしつけてきてくださいね」という暗黙の了解というか・・・


だから幼稚園お受験の保護者は入試日までにしっかりトイレトレーニングしていきます。もしも入試日までにトイトレが終わらなくても、「少なくとも入園までにはオムツ取らなきゃ!」っていうプレッシャーを感じることになる。


「仕事していて忙しいからできませんでした」って、ちょっと言いにくいんですよ。


お受験して入るような倍率のある私立幼稚園は、「幼稚園で子どもがしっかりと教育を受けるためにも、身辺自立は必要不可欠。生活習慣を整えるのが家庭の務め」という価値観がベースになっています。多かれ少なかれ。好むと好まざるとに関わらず。


幼稚園受験するならば、その価値観に共感できるかどうか。



一時が万事、子どもの忘れ物ひとつとっても、子どものお弁当の中ひとつとっても、あるいは「お子さんがあくびが多いです。就寝時間が遅いのでは?」とか


子どもの生活に関わるあらゆることに対して、よき母親として頑張らなきゃいけないことが増える感じですよ。


じゃあ父親は頑張らなくて良いのかっていうと、これまた幼稚園は専業主婦がデフォルトだった期間が長いからか、どうしても「よい母親」を求められる文化が漂っているように私は感じるんですね。


幼稚園によってはその度合いもまちまちですが、全体的な傾向としては好むと好まざるにかかわらず、お受験して入るような私立幼稚園では「子どものお世話に手を抜かない、よい母親像」を求められていると感じます。


だから、保育所と同じようなスタンスで働きながら幼稚園に通わせるとなると、保護者、特に母親に負担(プレッシャー)がかかることが多いのです。


よほど仕事に理解のある園長先生のいる幼稚園に入るか、仕事と同じくらいに子どものケアも高い水準で回せるスーパーウーマンであればよいですが



そうでない場合で幼稚園受験をするのであれば、仕事よりも子どものケアに重きを置けるかどうかが肝心だと思います。


逆にいうと、「仕事が大好きで仕事をセーブしたくないお母様」あるいは「責任のある仕事をしていて、生活の中で仕事の比重が高いお母様」そして「しっかりお世話してあげたくても、仕事で忙しいときにはどうしても子どものケアが思うようにできないお母様(そんな自分にジレンマを感じるお母様)」は、保育所のほうがストレスが溜まらないでしょう。


実際、私は子ども2人とも区立保育園でした。保育園の先生方も「働く母」が多かったので、ちょっと仲間意識を感じられて、私の場合は保育園で本当によかったと思います。


子育てと仕事のバランスを取るのが不器用で、気持ちはあってもちゃんとできない自分へのジレンマも強く感じるので、幼稚園に行っていたら恐らくパンクしていたと思うんですね。


とはいえ、仕事で伺う素敵な私立幼稚園の教育方針や環境の良さ、子ども中心に回る世界観も本当に大好きなのです。清らかなカトリックの幼稚園に伺うと、心が洗われる気がして清々しいのです。


「こんな清らかな環境で幼児期を過ごせたら素敵!!」って、いつも思っています。

共稼ぎ家庭が幼稚園受験するとき〜まとめ

幼稚園と保育園とどっちが良くてどっちが悪いということはありません。幼稚園でも保育園でも、きっと現場の先生がたは子どもたちのことが大好きで、愛情を持って接して下さっていることには変わりないと思います。


幼稚園でも保育園でも、「園に対して親御さんのストレスがない」というのは子どもの健全な毎日のためにとても大切なことです。


幼稚園は保育園と文化が違う。ベースに漂っている価値観が違う。その点を理解した上で幼稚園のお受験に向かわれると良いと思います。

世田谷区の幼稚園受験準備はMBキッズカレッジ用賀校