東京農業大学稲花小学校 杉原校長先生のお話会を開催いたしました
こんにちは、MBキッズカレッジ校長の青木でございます。
先日、当教室にて、東京農業大学稲花小学校の杉原校長先生をお招きし、MBキッズカレッジにお通いの保護者の皆さま向けにお話会を開催いたしました。
当日は台風の影響が心配されるお天気でしたが、参加された保護者の人数は当塾のお話会の中でもこれまでで最も多く、スタッフが「保護者の方がお座りになる椅子がなくなったらどうしましょう」と慌てたほどでした。
その場にお集まりくださった皆さまにとっても、また私にとりましても、大変貴重なお話を伺う機会となりました。
当日はまず、東京農業大学稲花小学校がどのような背景をもって設立された学校なのか、東京農業大学とのつながりからお話しいただきました。
みなさまよくご存知かと思いますが、東京農業大学は、世田谷、厚木、北海道オホーツクにキャンパスを持ち、農学・生命科学・食・環境などを専門的に学ぶ大学です。
「農学」と聞くと、作物を育てることを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際には、食料の生産、流通、安全、環境、生き物、食品、香り、造園・緑地など、人が生きていくうえで欠かせない幅広い分野につながっています。
杉原校長先生からは、こうした東京農業大学の学びを背景に、初等教育の段階から、子どもたちが「食」や「環境」や「いのち」について考えることには大きな意味がある、というお話がありました。
本物から学ぶ、農大稲花小ならではの体験
杉原校長先生は、5歳、6歳の子どもたちにとって、毎日は新しいことの連続である一方、まだ経験が少ないからこそ、視野が狭くなりがちな面もあるとお話しされていました。
だからこそ、新しいものに出会い、挑戦し、社会性を育てていくことが大切です。
学校では、豊かな感性、深く考える探究心、継続する向上心を育み、それを支えるコミュニケーション能力や体力も大切にされています。知識を覚えるだけではなく、感じること、考えること、続けること、人と関わることまで含めて、子どもたちの力を育てていくという考え方が印象的でした。
今回のお話の中で、特に印象的だったのは「本物から学ぶ」という学びの姿勢です。
農大稲花小では、主に「稲花タイム」という時間を使い、生活科や理科、家庭科にとどまらず、時には国語や算数にもつながるような横断的な学びを、体験を通して行っています。
たとえば、田んぼでの学習では、田植えをするだけでは終わりません。土壌学を専門とする先生から、土の機能や役割について学ぶそうです。田んぼに水を張るのは、稲に水を与えるためだけではなく、雑草を防ぐ意味もあります。そこでは、雑草学の先生からお話を聞く機会もあるそうです。
さらに、実ったお米をご飯としていただくだけでなく、もち米がお団子になることまで学びます。つまり、一回限りの体験で終わるのではなく、植える、育てる、観察する、収穫する、食べる、加工するという流れの中で、子どもたちは学びを深めていきます。
また、畑ではサラダほうれん草や小松菜などを育て、学年が上がると、自分たちでパッケージを考え、大学構内で販売する活動もあるとのことでした。育てるだけではなく、どう伝えるか、どう届けるかまで考える学びになっている点が、農大稲花小らしいところだと感じました。
ほかにも、牛乳はスーパーに並んでいるものとして見るだけでなく、牛からいただいているものだと実感する学習もあります。「牛乳が苦手」と感じているお子さまも、乳牛や搾乳の様子を見ることで、大人から「牛乳を飲みなさい」と言われるのではなく、本物に触れ、感じ方が変わっていくことがあるそうです。
また、牛が一列に並んで畜舎に戻っていく姿を見る中で、子どもたちが自分たちの行いを顧みて行動を正す、ということもあったそうです。その時の子どもたちの様子が目に浮かぶようで、とても微笑ましいエピソードだと思いました。
学校生活について
農大稲花小のコミュニケーション能力の育成についても、お話がありました。
農大稲花小では、語彙力をきちんと身につけることを大切にしており、読書や言葉の学びにもとても力を入れているとのことです。子どもたちは通学時、バスや電車などの公共交通機関の中で本を読むように指導されているとのことでした。
また、英語は毎日取り組む時間があり、1学級36名を半分に分け、18名程度の少人数で授業を行っているそうです。
4年生では希望者を対象に、オーストラリア・クイーンズランドでのホームステイの機会もあるそうです。英語を「教科」として学ぶだけでなく、実際に使う経験へつなげている点も、印象的でした。
保護者の皆さまからもよくご質問をいただく給食、保護者活動、アフタースクールについても、詳しくお話しいただきました。共働きのご家庭も増えている中で、これらは学校生活を具体的に考えるうえでも、関心の高い項目なのだと感じます。
給食は毎日提供され、お弁当を作る機会は校外学習の時などに限られるとのことでした。一方で、アレルギー対応については除去食での対応が基本であり、個別の代替メニューがあるわけではないため、学校選びの際にはご家庭でよく確認しておく必要があるとのことでした。
また、義務としてのPTA活動はなく、教育後援会という学校のサポーター組織があり、希望する方が手を挙げて関わる形とのことでした。
放課後については、NPOに委託したアフタースクールがあり、19時までの預かり機能や、さまざまなプログラムが用意されているとのことです。お仕事をされているご家庭にとっても、学校生活を具体的にイメージしやすい内容でした。
入試について
後半では、事務室長の岩本先生より入試についても具体的なお話を伺いました。
2025年度入試では、志願者数は過去最高となったものの、実際には欠席されるお子さまもいらっしゃるため、一般的に言われる「志願倍率」と、実際に受験した人数をもとにした「実質倍率」には違いがあるという説明がありました。
また、通学距離が近いか遠いか、東京農業大学とご関係のある方がご家族にいらっしゃるかどうか、兄姉が農大稲花小に在籍しているかどうかなどは、入試の合否判定には関わらない、ということを明確にお話しくださいました。
小学校受験はベールに包まれたところも多い入試だと感じていらっしゃる方も少なくありませんが、前校長の夏秋先生のころからお話を伺ってきた通り、農大稲花小も、入試の公平性を非常に大切にされている学校です。今回のお話会でも、受験者数や実質倍率、入試判定の考え方について丁寧にご説明いただき、その姿勢がよく伝わってまいりました。
今年度の入試では、10月の事前面接がなくなり、一次試験であるペーパーと行動観察の合格者を対象に、11月に親子面接を行う流れになるとのことです。ここは去年までとは大きく変わったところです。
去年まであった「事前面接用質問表」についてもお話がありました。ここ数年でAIの活用が急速に広がり、AIに文章作成を依頼すると、整った志望理由が作成できる時代になっています。
だからこそ、面接の場で「なぜ、大切なお子さまの6年間を東京農業大学稲花小学校で過ごさせたいのか」という、ご家庭自身の言葉が、いままでよりもさらに大切になると感じました。
最後に
私たちのMBキッズカレッジ用賀校は、農大稲花小からも近い場所にあります。開校前より注目しており、受験されるご家庭を毎年サポートしてまいりました。これからも、農大稲花小を目指すご家庭の拠り所になれるよう、スタッフ一同、努めてまいります。
今回のお話会を通して、東京農業大学稲花小学校は、単に「体験が多い学校」ではなく、東京農業大学の専門性を背景に、本物に触れながら、子どもたちの感性、探究心、思考力、社会性を育てていく学校であることがよく伝わってきました。
最後に少しだけ質問のお時間を設けましたが、私自身は「なぜ農大稲花小には掲示物が少ないのか」というご質問へのお答えが、とても腑に落ちるものでした。
毎年、当教室では農大稲花小より校長先生をお招きしておりますが、回を重ねるごとに農大稲花小への理解が深まり、私にとりましても大変貴重な学びの機会となっております。
ご参加くださった保護者の皆さま、そして貴重なお話をお聞かせくださった杉原校長先生に、心より御礼申し上げます。


