トークイベント「お子様の未来予想図を描こう〜小学受験で幸せになる方法〜」開催しました
こんにちは、MBキッズカレッジ校長の青木です。2025年2月1日、小学校受験を考えている保護者の方10名が集まり、「お子様の未来予想図を描こう〜小学受験で幸せになる方法〜」お話会が開催されました。
この日はちょうど都内の中学校受験の解禁日でもあり、私は中学受験生を心の中で応援しつつ、教室へ向かいました。
お話をしてくださる富永先生は、昭和女子大学附属昭和小学校の広報として、いつも感動する話をユーモアを交えてお話ししてくださいます。お話会はいつも大人気で、私も毎回とても楽しみにしており、話を聞くと「よし!がんばるぞ!」と、とても爽やかな気分になります。
今回は「こどもと向き合うこと」そして「小学校受験で大切なこと(5領域に絡めて)」「親子関係について」などのお話がとても印象に残りましたので、ご紹介いたします。
<こどもと向き合うこと・こどもと同じ方向をみること>
昭和小学校では、低学年・高学年に関係なく、まず子どもたちと向き合うところから始まります。子どもに向き合うことは教師の仕事です。
教師として学校で子どもと向き合うなかで、特に輝いている瞬間としては、昭和小学校が誇る「努力証」というものがあります。努力賞ではなく、努力の証(あかし)で努力証です。
子どもたちには毎日「いいところ探し」をさせています。人の悪口は簡単に言えますが、良いところを見つけるのは難しい。
努力証にはコインがあり、毎日クラスの中で一人ずつ、努力証コインをもらえる人を選んでもらいます。クラスで一番良いことをした人をみんなで探すのです。良いところを探そうとすると、自然と悪口が減ります。
昭和小学校では、努力証のコインをもらった子は、昇降口の大きなオルゴールにコインを入れて曲を鳴らすことができる。いいことした人は、みんなから認められて、そして美しいオルゴールを鳴らせるのです。
先日、40歳になった卒業生たちが集まり、同窓会を開いてくれました。私が担任をしていた昔の生徒たちです。同窓会には、みんなでオリジナル手拭いを作ってくれていました。その手拭いには努力証コインのイラストも描かれ、富士登山マラソンの絵もありました。
(富士登山マラソンは昭和小学校で取り組んでいるもので、1年間に256メートルを完走するというものです。昭和小学校では「早く走ることよりも長く走ること」を大切にしています。)
卒業生が語る中で、一番印象に残っているのは「努力証」でした。卒業生たちは、卒業から30年経った今でも、「認めてもらえて嬉しかった」と言います。認めてもらえて嬉しかったならば、今度は自分も認める側になろうとするものです。
<受験にあたって>
大切なのは、「考える子に育てること」です。そして、受験に向けては、お子さん自身に「説明と同意」が必要です。何をきっかけにしても構いません。
大切なのは、子ども自身が「この学校が好き、この学校に行きたい!」という気持ちを持ち、それに向けて準備(受験勉強)をすることを理解し、同意していることです。本人が納得していることが重要です。どんな理由であれ、当事者である子どもが納得していなければ、親の意のままに動くことはありません。
子どもにとっては「説明と同意」が必要ですが、ご夫婦間で大切なのは「選択と集中」です。あれこれ多くのことを浅くやるのではなく、一つのことを徹底的にやり抜くことです。
塾選びで言うと、大手の塾と個人塾にはそれぞれの良さがあり、得意不得意もあります。個人塾では、ベテランの先生がいて、子どもはもちろん、保護者に対しても一人一人に寄り添って励ましてくれるのが良いところですね。
それぞれの強みをどう活かすかも大事なポイントです。 親がブレないことは非常に重要です。中学校受験は最終的に本人が志願しますが、小学校受験は親が選ぶものです。親がしっかりと軸を持っていることが、子どもにとっても大きな安心感になります。
<子どもの成長を見据えた小学校受験>
子どもは4年、5年、6年の高学年になると、メタ認知能力が芽生えます。これは、自分を客観的に見つめることができる能力です。低学年のうちは、目の前のものをそのまま受け入れて判断しますが、5年生くらいになると、ほぼ自分を客観的に見ることができるようになり、心の中を探ろうとします。例えば、「顔で笑って、心で泣いて」を見抜けるようになるのです。
かつて昭和小学校に通っていた姉妹のお話です。お姉さんがちょっとヤンチャなお嬢様で、お母様がそのお姉さんにかかりきりという家庭がありました。下のお子さんが4年生のときに「先生、わたし寂しいんだ」と私に言いに来ました。
その子は「一番寂しいのは、その人が目の前にいても、自分のことを思ってくれていないと気づいた時。その人がそばにいない時より100倍つらい」と言ったのです。この言葉は衝撃でした。4年生でも、こうした複雑な感性を持つようになるのです。
そして中学校2年生くらいになると、第二次性徴期を迎えます。この時期は親を一人の男性、女性として見るようになります。それまでは、「親は中性で、男性でも女性でもなく、自分を護ってくれる存在」だったのが、親も生身の人間だと気づくようになるのです。ホルモンバランスの影響もあり、この時期は一番心が揺れ動きます。
こうした時期を我が子が迎えることを考えると、今の小学校受験の見え方も変わってくるのではないでしょうか。子どもがこの小学校受験を経た先にどんな成長を遂げるのかを見据えたうえで、小学校受験を考えることが大切です。
<こども園・幼稚園・保育園からの評価>
こども園や幼稚園、保育園の先生がどのように我が子を評価しているのか、気になることもあるかもしれません。保育園は福祉的な側面が強く、厚生労働省が管轄しています。一方、幼稚園は教育的な側面が強く、文部科学省が管轄しています。
幼稚園教育要領では5つの領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)があり、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を示しています。これが小学校受験にも影響を与えます。
受験で重要なのは、何ができるかではなく、どんな素地があるかです。小学校受験で問われる内容は、この「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」に大きなヒントがあります。
<小学校受験で大切なこと―「健康な心と体」>
まず最も大切なのは「健康な心と体」です。困難に直面しても、気持ちを切り替え、主体的に取り組むことができることが理想です。つまり、汗をかくことを厭わない子であってほしいのです。
楽しく体を十分に動かして、おなかぺこぺこになるくらい活動できることが健全であり、幼児にとっては色々な遊びにおいて体の諸部位をたくさん動かすことが大切です。
そして小さな怪我をたくさんすることで、大きな怪我を防げます。小さな失敗をたくさん経験することで、大きな失敗に繋がらないのです。これが非常に大切なことです。
<小学校受験で大切なこと―「自立心・協同性・道徳性・社会との関わり」>
衣服の着脱、食事、排泄、整理整頓など、基本的な生活習慣は当たり前のことですが、これができていないと、小学校生活を快適に過ごすことは難しいです。入試においても、集団での行動観察の中で、当然これらは観察されているでしょう。
自分のことは自分で行い、できないことは教師や友達の助けを借りて自分で行う。自立心が求められます。家庭では、一つの約束を決め、小さなステップで少しずつハードルを上げていくことが大切です。親の知恵が試される場面です。
協同性は家庭ではなかなか育むことができません。他者がいる環境で初めて学びます。自分だけではなく、他者と協力して成し遂げることが重要です。そこで道徳性です。気持ちよく過ごすためには、何が良いことか悪いことかを区別することが必要です。ご家庭でも人に迷惑をかけるようなことや命に関わることはしっかり叱ることが大切です。
ここで気をつけてほしいのは「あなたが大切だから注意しているんだよ」という思いを伝えること。人格に対して叱るのではなく、行動に対して叱っていることを理解させてあげましょう。
小さいうちは「こうしなさい、ああしなさい」と言えば聞くかもしれませんが、自分で考える力が育たなくなってしまいます。その結果、高学年になって困ることが出てきます。失敗しても構いません。その失敗を軌道修正する力を育てていくことが重要です。
<小学校受験で大切なこと―考える力>
思考力の芽生えには「なぜ、どうして?」という問いかけが大事です。この時期、子どもは親を試していることもあります。学校でも、子どもたちが先生に「なぜ?」「どうして?」と質問攻めにすることがありますが、これは先生が知っているかどうかを試しているのです。(笑)まず、この洗礼を受けることになります。若い先生は時にタジタジになりますが(笑)。
<小学校受験で大切なこと―「自然との関わり」>
ところで皆さん。動物や生き物を飼っている家庭はどれくらいあるでしょうか?金魚でも花でも、貝割れ大根を育てることでも良いのです。小さな命を育てることで、生き物への思いやりを育むことができます。
大事なのは「やるか、やらないか」で、その差は非常に大きいのです。子どもに「あなたが水やりしてね」と頼んでみましょう。責任をもって命を育てることで思いやりが育ちます。
<小学校受験で大切なこと―数量・図形・文字・言葉>
「文字を読めるから言葉を理解している」と思ったら、それは大きな誤解です。「漢字が書けるから理解している」これも大きな間違いです。本当に大切なのは、言葉の意味を理解しているかどうかです。
『親子で育てることば力と思考力(筑摩書房/今井むつみ著)』という本があります。読みやすく、科学的根拠に基づいて大学の先生が書かれた本です。
言葉をどれだけ理解しているかということ、思考力と語彙力は密接に関連しており、子どもが語彙をどれだけ理解しているかが思考を左右します。小さいうちから語彙力を徹底的に鍛え、日常会話を通じて「生きた言葉」を覚えさせることが大切です。
単語を丸暗記するだけとか、単なるスキルとしてではなく、日常の会話の中から生きた知識として身につけるということです。そのためには親のサポートが必要です。乳幼児期に自分で考えて言葉を覚えた機会が多いほど思考力が伸びるとはっきり言われている。小学校受験が目指すところはここなんです。
親が少し難しい言葉を使ったり、読書を習慣化したりすることも有効です。自分の発信力を高めることで、相手を理解する力も育まれます。言葉を使い、理解するということは、その子の人生において武器になります。思考力は言葉の力とともに育ちます。
授業でも、先生が何を問うているかわからない。この問題では何を問われていて何を答えたらいいかを聞き分けられない子がいる。これもすべては国語力に帰結します。
例えば、問題文に出てくる「前」「後ろ」などの言葉の意味を正確に理解し、状況をイメージできることが求められます。こういう問題があります。「14人のこどもが前を向いて並んでいます。エイタさんの前には子どもが6人います。エイタさんの後には何人いますか。」この問題を解こうと思って「14―6=8、こたえは8人」・・・ではないですよね。
この問題を難しくしているのは「前」という言葉。前という言葉を理解するには「前」を決める枠組みを自分で補う必要があります。子どもたちが並んでいる方向が「前」であり、エイタさんの「前」には6人いて、エイタさんはその「後」にいます。この問題はさらに、エイタさんの「後」にいるこどもの人数を聞いている。多くの子どもは「前」という言葉に引っかかってしまい、この問題で躓いてしまう。
言葉をイメージする力、映像化する力が理解力であり、理解力を得るためには言葉の力が必要です。いま、みなさんが小学校受験の勉強をしている中で、この言葉の力、言葉の理解というのは必要なんです。それは家庭での親子での会話や日常生活の中で、言葉と理解を深めていくことが不可欠です。
<学習が進まない時>
学習が進まない、つまずいているお子さんにも、まず「語彙力」をつけることが重要です。言葉を知っているかではなく、言葉を使って自分から発信できるかということ。
「てにおは」が間違っていてもいいのです。間違っていたら修正すればいい。お子さんが言える環境をどう作っていくかということ。言葉を使って自分から発信できるかどうかも大事なポイントです。
一番リラックスできるお風呂の時間を使って、子どもと少しずつでも会話をすることなどは大変有効でおすすめです。お風呂の会話のなかでお子さんのグランドレベルがどのくらいか、お子さんの興味関心のベクトルはどこに向かっているかなどを知ることができる。
共働きの家庭でも、3分でも5分でもいい、その積み重ねからです。やるからやらないかの違いがとても大きいのです。
<親子関係で困ったことがあったとき>
親子関係で困った時、例えばお弁当の中などに一言メッセージを書いて入れておくことも効果的です。言葉がけは消えてしまいますが、文字は残るんです。文字で伝えることで、子どもはそのメッセージを繰り返し見て、心が繋がっていると感じることができます。
1000年昔の竹取物語がいまもかぐや姫として残っているのは文字として残っているからです。時を超えるのです。親子関係で困ったことがあった時はそういうことも一つヒントとして有効活用されると良いのではないかと思います。
<今の時期に大事なこと>
学校選びについての質問も多いですが、4月からどの学校でも学校説明会が始まるので、学校選びはそれからでも遅くはありません。それよりも今、大事なのは、我が子と向き合うこと、ご夫婦間で「どう我が子を育てていくか」を納得するまでしっかり話し合い、明確にすることです。
そして家族で同じ方向を向くこと。学校選びはその後で決めればいいのです。我が家の方針が定まってブレなければ、その次に学校の方針を見極めればいいんですから。
「我が家の教育の軸」をしっかり持っておかないと、お子さんが大人になって親になった時、おそらく自分が受けた教育を子どもにもするんです。軸がしっかりできていればブレることなく、受験期の11月まで一心不乱に進むことができるんです。
<どういった子が昭和小学校からご縁をいただけるのか>
昭和小学校で言うと、いろんな子がいていい。性格でこどもを分けることは一切していません。
昭和小学校は「Lead Yourself」これは「世の光となろう」という校訓に連動しています。たとえ小さな光であってもだれかを照らす光となって欲しい。人生で究極の喜びは誰かの役に立つことです。誰かからありがとうと言ってもらえるようなこと。誰かのために、「スキルや成果」を求めている学校ではなく、昭和小学校は「意欲と態度」の学校です。
今日は2月1日で中学校受験の日ですが、第一希望の学校に進学できるのは1/3、つまり3割しかいません。3年生の3学期から毎日、休みの日も遅くまで9時10時まで塾に通って頑張っていても、第一志望に受かるのは少ないのが現実です。
小学校受験と違って、本人の物心ついてからの中学受験では、7割の子が第一希望にご縁をいただけず挫折を味わうことになる。この現実も知った上で、家庭の方針を土台にして、学校を選びましょう。
<男子が少ない学校だけど・・・>
男子のお母様からいただいたご質問で「昭和小学校では男子全員が中学受験をするにもかかわらず、特に男子の中学受験サポートに力を入れている学校ではないと伺っています。また、男子数も少ないことも少し心配です。在校生の保護者さまは、どのような期待を持って昭和小にお子さんを入学させているのでしょうか?」というものがありました。
この質問に対して、昭和小学校の子どもたちの声を紹介したいと思います。
卒業を間近に控えた6年生の男子が、ある年に校長先生に呼ばれました。「君たち、昭和小は男子の人数が少なかったけれど、どう感じていた?」と校長が尋ねると、一人の男子がこう答えました。
「先生、『友達100人できるかな』という歌がありますが、あれは「ただの知り合い」です。僕たち人数は少ないけれど、本当の友達になれました。本当の友達です!」と。
ご質問に対するお答えとしては、この言葉が全てだと思っています。
お話会を終えて
「お子様の未来予想図を描こう〜小学受験で幸せになる方法〜」いかがでしたでしょうか。
あっという間の1時間半で、とても濃い内容のお話でした。ダイジェストとなりますが、みなさまにもお伝えできれば幸いです。
昭和女子大学附属昭和小学校は4月からも学校見学ツアーを開催しています。また、学校説明会もあります。見学ツアーや説明会などでも、富永先生のお話を聞くことができると思います。ぜひ足を運んでみてください。
昭和女子大学附属昭和小学校の受験対策は、対策コースのあるMBキッズカレッジへお任せください。


